日本語学2019年2月号(特集:書き言葉の敬語)vol.38-2

宮地裕 監修, 甲斐睦朗 監修

1,210円(税込)

明治書院

◆書き言葉の敬語

特集題は「手紙・文書の敬語」「文書の敬語」などとも表現できる。10年ほど前の文化審議会答申「敬語の指針」は話し言葉中心である。審議中に「書き言葉も取り上げてほしい」と要望した。半世紀前の「これからの敬語」には新聞・ラジオの敬語も取り上げられているし、国語史では正倉院文書(病気による欠勤願い)に見られる。平安時代の女流仮名物語にも書き言葉特有の敬語が徹底している。

〇書きことばにおける敬語的表現 笹原宏之
――現代までの文字・表記の使用法を中心に――

〇平安時代語の敬語の形態論 近藤泰弘

〇書き言葉コーパスに見る尊敬表現 小椋秀樹
 ――「お(ご)~になる」「お(ご)~なさる」をめぐって――

〇敬語と新聞 前田安正
 ――朝日新聞に見る敬語報道の変遷――

〇女性手紙文の待遇性と性別性 茗荷円
 ――明治から平成まで――

〇宛名の「殿様問題」 氏原基余司

〇Emailの敬語 阿部貴人

【連載】

[ことばのことばかり] はんざわかんいち
[校閲記者のこの一語]薄奈緒美
[百人一首を味わう]浅見和彦・馬場あき子