(香り選書 19)匂いと昆虫の巧みな世界—匂いに支配されている昆虫の不思議

井濃内 順 著

1,540円(税込)

フレグランスジャーナル社の単行本

昆虫は現在知られているだけでも約100万種以上、全動物種の約75パーセントを占めると言われます。昆虫が現在の繁栄を築き、進化の成功者になり得た理由は、外部環境を知るための嗅覚を研ぎすまし、匂いに敏感に反応し素早く行動する能力、独特の化学コミュニケーションの方法を発達させたことにあります。多くの昆虫にとって最も重要な「生存」「繁殖」「進化」は匂いなくしては果たせなかったと言えるでしょう。 本書では、ファーブル昆虫記でも有名なフンコロガシなどの昆虫を取り上げ、その匂いを感じる仕組みを説明し、匂いによって広がる昆虫の生きる「匂いの世界」を明らかにします。そして、地球環境や生物多様性を支えている昆虫の匂いによるコミュニケーション機能の農業への応用例なども取り上げています。