(香りで美と健康シリーズ 5)「香り」の文化と癒やし—いのる、くらす、あそぶ。古代から現代まで

渡邉 映理 著

1,760円(税込)

フレグランスジャーナル社の単行本

「香り」は、古代より人間のくらしに深くかかわり、利用されてきました。神に祈るときや、亡くなった人を葬るとき、食べ物を保存するとき、流行病を防ぐときや傷を癒すときに、植物から抽出した「香り」が使われたのです。このような先人の知恵は現代まで受け継がれ、薬や化粧品をつくるアイデアの元になるなど、現代でも私たちの生活になくてはならないものになっています。さらに、科学の進歩によって、森や海などの自然、温泉、お酒など、私たちが「癒やし」を求めるものの中にも、様々な効能を持つ「香り」成分が含まれることが分かってきました。筆者は植物由来の香りを用いて、ヒトを対象とした様々な実験を行い、「香り」に科学のメスを入れようと試みています。
本書は、これまでわき役として扱われてきた「香り」を主役に据えて論陣を張った著者会心の労作です。前半(第1〜5章)では、古代より西洋、東洋、日本で営まれた生活様式や文化に「香り」がどのようにかかわってきたかを、後半(第6〜10章)では、「香り」と癒やしを科学する、の視点から詳述しています。