風かたか:「標的の島」撮影記

三上智恵[著]

1,650円(税込)

大月書店

いま沖縄で起きていることは、誰にとっても他人事ではない―― 基地建設が強行される高江・辺野古、そしてミサイル基地設置に揺れる宮古島・石垣島。沖縄、そして日本全土が米中の軍事衝突の防波堤とされる現実に強く警鐘を鳴らす最新作ドキュメンタリー「標的の島 風かたか」の撮影記。

「風かたか」とは:ウチナーグチ(沖縄方言)で「風よけ」の意味。2016年4月に沖縄県うるま市で起きた米軍属による女性暴行殺人事件の追悼集会で、稲嶺進・名護市長は「我々はまたしても“風かたか"になれなかった」と語った。沖縄の次世代のために身を張って風よけになろうとする人びとの思いの一方で、南西諸島を防波堤として中国の海洋進出を封じ込めようとする米国の戦略のもと、先島諸島の軍事拠点化が進められる。「風かたか」というタイトルにはその二つの意味がこめられている。