【電子版】CONFORT No.202(2025年04月号) 土 左官とタイル

CONFORT編集部 編

1,800円(税込)

建築資料研究社

地球に生命が誕生した5億年前から長い年月をかけて、土は育まれています。
土を英語に訳すと、Soil、Clay、Mud、Dirt、Earth……。
日本語でも、土壌、粘土、農業用の土、大地と、土が意味するものは幅広いです。
今回、特集のタイトルとしたTERRAはラテン語で大地、そして地球を表します。
ローマ神話における大地の女神の名前に由来するそうです。
土をイタリア語でTerra、フランス語でTerreというのは、
このTERRAを起源としているからです。
土は地球そのもの、そして地球が生み出す生命の根源です。
最近では土壌学の観点から、
地球環境や生態系と、土との関係も多く語られるようになりました。
温暖化をくい止める鍵のひとつとして、研究も進んでいるようです。
建築の分野でも、建設発生土を活用するなど、
土の循環を意識した取り組みが世界中ではじまっています。
先人が培ってきた工法を基本としながら、
その原理を理解し、現代的な感覚で表現している左官の仕事からは、
土を使った建築の自由さと心地よさが感じられます。
やきものとしての魅力に加えて、工業製品としての可能性を拡げていく
タイルを使った空間には、
土のもつ温かさや懐かしさと、新しさが共存しています。
土の世界の一端を学びながら、
地球の、人類の、建築の未来を一緒に考えてみませんか。