ちいさなかしこいオオカミ

ヘイス・ファン・デア・ハメン 文, ハネケ・シーメンスマ 絵, 野坂 悦子 著

2,420円(税込)

株式会社化学同人

小さな賢いオオカミは、もっと賢くなるためにもっとたくさん本を読みたいと思っていました。

とおいとおいやまのむこうに、「ちいさなかしこいオオカミ」がすんでいました。
森のみんなはわからないことがあると、オオカミのところへききにきます。でも、ちいさなかしこいオオカミは言うのでした。
「みんなにこたえてるひまはないんだ……」
ある日、王さまの重いやまいをなおすため、オオカミはお城へ一人で出かけていきました。お城はずいぶんと遠く、オオカミは迷子になってしまいます。
「ぼくって、みんながいうほど、かしこくないんだ。おうさまのやまいなんて、ぼくにはなおせっこない」…くたくたで、さむくて、足がいたくて、おなかがすいたオオカミを助けてくれたのは、森のみんなでした。               
小さなかしこいオオカミは、もっとかしこくなるためには、森のみんなに教わることがもっとたくさんあることを知ります。
いまでは、みんながたずねてきても、いそがしくてひまがないとはおもいません。
もしかすると、まえよりもっとたくさん本を読んでいても。
ちいさなかしこいオオカミは、友達に教えたり教えてもらったりすることで、もっとかしこくなれたのでした。