散在型有限単純群(共立講座 数学の輝き 16)

吉荒 聡 著, 新井 仁之 編, 小林 俊行 編, 斎藤 毅 編, 吉田 朋広 編

5,830円(税込)

共立出版

26個の散在型有限単純群のうち、マシュー型とコンウェイ型について基礎から解説した希少な成書

 有限群は単純群の積み重ねであり、単純群の構造が有限群を強く統制する。有限単純群を分類しようという壮大な試みが完成したのは2004年ごろであり、分類定理が得られた。
 本書では、26個の散在型有限単純群のうちマシュー型とコンウェイ型を中心に、その周辺の事項について基礎から解説する。19世紀に5重可移群として得られたマシュー群は、20世紀になって組合せ構造(デザイン)の自己同型群として研究が進み、情報理論・符号理論における特別な実例であるゴーレイ符号との関連も明らかになった。さらに、ゴーレイ符号から構成されるリーチ格子は、その自己同型群(コンウェイ群)が散在型単純群の実例の宝庫となっている。
 ゴーレイ符号やリーチ格子に関する知識は、モンスターと呼ばれる巨大な散在型単純群を構成する際にも欠かせない。ゴーレイ符号とリーチ格子は数学的に自然で美しい存在であり、将来的にも重要な研究対象であり続けるだろう。
 本書で取り上げる内容の多くは1970年代にコンウェイを中心に発見・整備されたが、入門的成書は僅かである。本書は、散在型単純群について自己完結的に書かれた、貴重な本格的入門書である。