続 昭和街場のはやり歌

前田和男 著

1,900円(税込)

株式会社彩流社

『朝日新聞』書評に掲載され(23年11月4日)反響を呼んだ前著『昭和 街場のはやり歌 戦後日本の希みと躓きと祈りと災いと』に続く第2弾!

『朝日新聞』の書評氏・保阪正康氏は「本書は歌謡社会学の創出の感さえしてくる」と評し、「情報屋台」の高成田亨氏は「本書は情況を鋭く抉った『日本歌謡の資本論』です」と発信した。

本書は「昭和歌謡百年」に向けた一般庶民の精神を支えた「はやり歌」の一断面図である。

【目次】
Ⅰ 戦前と戦後は “一つながり” の章
第1話 「軍艦マーチ」(作詞・鳥山啓、作編曲・瀬戸口藤吉)
   大本営発表のテーマソングはなぜ生き残れたのか 
第2話 交響曲第九番「歓喜の歌」(作曲・ベートーヴェン)
   「第九」は「はやり歌」の「おしん」である
第3話 「別れのブルース」(歌・淡谷のり子)
   戦争を生き延びたマドロス物とブルースの女王

Ⅱ 戦前復興の光と影の章
第4話 「港町十三番地」(歌・美空ひばり)
    「マドロス稼業はやめられぬ」(歌・三橋美智也)
   マドロス物の忽然の終了と三島由紀夫の『午後の曳航』
第5 話 「銀座カンカン娘」(歌・高峰秀子)
   日本のショーウィンドウをチアアップした“風雲児の歌”
第6話 「揺れる、まなざし」(歌・小椋佳)
   資生堂とカネボウの世紀の歌合戦ソングは“平時の軍歌”だった
第7話 「帰らんちゃよか」(歌・島津亜矢)
   農からの叫びの歌に耳をそばだてよ、もう時間は残されていない!
第8話 「飛んでイスタンブール」(歌・庄野真代)
   1970 年代、戦後の昭和は飛ぶ方向を間違えた⁉  
   
Ⅲ 異議申し立ての章
第9話 「民族独立行動隊の歌」(作詞・きしあきら/作曲・岡田和夫)
   日本の「ラ・マルセイエーズ」になりそこねた歌
第10 話 「原爆を許すまじ」(作詞・浅田石二、作曲・木下航二)
    “原爆を知らない子どもたち”の自戒の歌 
第11 話 「上を向いて歩こう」(歌・坂本九)  
    60 年安保の敗北の鎮魂歌を大往生させるために
第12 話 「練鑑ブルース」(作詞・作曲・制昨年不詳)
    「檻の中の歌」はなぜ封印されたのか
第13 話 「戦争を知らない子供たち」(歌・ジローズ)
      「坊や大きくならないで」(歌・マイケルズ)
    反戦フォークは自衛官の卵たちの愛唱歌だった⁉

IV 宴の終焉の章
第14 話 「北海盆唄」(北海道民謡)
    ドリフのパワーの源泉は民衆の猥雑な情念にあり
第15 話 「落陽」(歌・吉田拓郎)
    吉田拓郎の「落陽」は、時代への挽歌である 
第16 話 「知床旅情」(歌・加藤登紀子)
    若者たちを“自分探し”の旅にいざなった極北の歌
第17 話 「石狩挽歌」(歌・北原ミレイ)
    挽歌に封印された古代文字の謎