ジョージア中世の教会建築ガイド

ダヴィド・ホシュタリア 著, 篠野志郎 編訳, 守田正志 編訳

3,100円(税込)

株式会社彩流社

今も遺る中世教会堂の建築形式の変容と変遷!

東トルコからカフカースへと至る地域。多様な民族が行き交い災禍に翻弄された地域。そこはまた西欧とは異なるキリスト教建築が各地に遺されており、栄華の残照として野辺に留まっている、或いは依然として篤い信仰を集めている地域である。本書は、こうした教会建築を4世紀の初期から遡り、多数の図版を用い類型化した形で、主要な遺構の解説を行っている。それらの遺構は、地場の技術をペルシャやビザンツ(ローマ)等の優位な文化に接続させ、変様させることで、独自の建築文化を作り上げた。ジョージア建築は、西欧文化への対抗する衝迫として屹立する「もう一つのキリスト教」である。知られざる教会遺蹟のガイドブック且つジョージア教会入門、そして同国側面史ともなる書物である。

【目次】
序文(+ジョージア文字とラテン文字の対照表)
謝辞
ジョージアの現在の州構成地図と各時代の歴史地図
第1章:古代後期の教会建造物
東ジョージアにおける教会建築の始まり
5世紀から6世紀にかけて:東ジョージアにおけるバシリカ形式の発展
単廊型とその変異形
西ジョージアにおける初期のバシリカ形式
マングリシ教会堂と他の初期ドーム付設教会堂
ムツヘタのジュヴァリ(聖十字架)教会堂と関連建造物
ツロミ教会堂:王室の支援とドーム付設十字平面構成の発展
バナの聖堂と南カフカースにおける二重殻四葉形式
第2章:建築の変容と興隆
東ジョージアにおけるアラブ侵攻後の教会建築
グレゴリー・ハンズタとクラルジェティ地域の修道院建築
ダヴィド・クラパラテスとタオ地域での彼の壮大な計画
アブハジア地域の王達の建設活動
ジョージア統一王国の建設と大聖堂建設の時代
ドーム付設建築の発展
建設工程と施工技術
第3章:黄金期のジョージア建築とジョージア王朝の衰退
ダヴィド建設王の時代
タマル女王の時代:立面装飾の隆盛期
モンゴル侵攻後
中世後期
災禍後の影響
訳者あとがき
参考文献抄録
索引
用語解説