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タルモンによる鮮烈な研究書以来,シングルセッション・セラピー(SST)は何度もその有効性を再現され,世界中の臨床家たちから熱い視線を向けられてきた。
多くのクライエントが3回未満の内にセラピーに通わなくなる――SSTは,この既知の事実に対するシンプルな答えである。セラピーを1回で必ず終了させるための技法ではなく,毎回のセッションが最後となっても良いように,1回1回の効果を最大限に引き出すことを目的としている。
その実践は単一の理論や方法に拠らず,さまざまなセラピーに適用可能であり,本書では17人のセラピストによる事例を紹介している。根底にあるのは,有益な変化が常に可能であるというマインドセット,クライエントがこれまでにやってきたこと,できることを強調するエンパワーメント,限られた時間を味方につける気持ちという3つの原理である。
治療プロセスの効率化を迫られる今日の医療・福祉業界において,すべてのセラピストが備えるべき臨床モデル。