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生物は一言でいえば「増殖しながら生きている物」だが、増殖することと生きることに対して、DNA分子が重要な働きをしている。増殖については、DNAはコピーするのに容易な構造をもっているのでわかりやすい。一方で、生きること、すなわち生物が形をつくり活動することにDNAがどのように働いているのかを読み解くことは簡単ではない。
本書では、形づくりに関するDNAの働きを大観したうえで、数理モデルを用いてDNA–タンパク質–細胞の経路が形づくりにつながることを説明する。その範囲は、身近な哺乳類の胚盤胞、神経管などいくつかの多細胞体の形から、不思議な立体異性体として知られている初期心臓のらせん構造にまで及ぶ。