本当の自分を求めて

レイチェル・アヴィヴ 著, 篠田 里佐 訳, 岡本 卓 監訳, 和田 秀樹 解説

2,750円(税込)

株式会社化学同人

自らをしばしば襲う生きづらさの本質と精神障害との関係を見極めるため,敢然と立ち向かったデビュー作.学術調査と,未発表の日記や回想録を読みあさり,洞察力あふれた考察を加えている.ヒンズー教の淵源を求め巡礼したが西洋文化に生き方を歪められるインド人女性(バプ),人種差別に絶望し心中したが生き残り,この世の不条理と戦って投獄された双子の母親(ナオミ).精神分析医への復讐に人生を捧げる透析医(レイ).裕福な家庭に育ち社交界に華々しいデビューを飾ったハーバード大卒の才女(ローラ)は再燃する精神障害と薬物療法に葛藤し,薬をやめようと決意する.著者のレイチェルは幼い頃に患った拒食症の記憶を辿ると,病棟で少女(ハヴァ)と出会っていた.自身含め6人の苦闘の生涯を,深い共感をこめて描く.