拝啓 宮澤賢治さま

田下啓子 著

1,500円(税込)

株式会社彩流社

求道者でもなく、自己犠牲の人でもなく、いつも生きることの不安の中にいた未熟な若者賢治……。強迫神経症のように自分を追い詰めた賢治の心の奥の奥の、そのまた奥に分け入り語りかける文学エッセイ。
目次
第一章 宮澤賢治の童話の世界
 「土神と狐」──愛と憎しみ 
 「貝の火」──もう一人の賢治 
 「洞熊学校を卒業した三人」──罪悪感のない賢治の世界 
 「なめとこ山の熊」──知的に昇華された魂 
 「銀河鉄道の夜」──自己の弔いの旅

第二章 宮澤賢治をもう一度
 ふたたび「貝の火」
 「よだかの星」
 テロリスト賢治?
 ボタンを掛け違える?
 ほんとうは自分が救われていた
 花巻農学校の賢治先生
 シャドウとの戦い
 父のシャドウ、賢治のシャドウ
 賢治は「銀河鉄道の夜」に何を託したか
 「雨ニモマケズ」のそのあとに
 銀河の果てまで
 「妄言 多謝」

第三章 賢治雑感
 マチガイない
 インドラの網
 賢治と漱石
 神秘と「インドラの網」
 「水仙月の四日」
 賢治の現実
 原子力を思想化する
 拝啓 宮澤賢治さま

第四章 宮澤賢治に愛をこめて