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求道者でもなく、自己犠牲の人でもなく、いつも生きることの不安の中にいた未熟な若者賢治……。強迫神経症のように自分を追い詰めた賢治の心の奥の奥の、そのまた奥に分け入り語りかける文学エッセイ。
目次
第一章 宮澤賢治の童話の世界
「土神と狐」──愛と憎しみ
「貝の火」──もう一人の賢治
「洞熊学校を卒業した三人」──罪悪感のない賢治の世界
「なめとこ山の熊」──知的に昇華された魂
「銀河鉄道の夜」──自己の弔いの旅
第二章 宮澤賢治をもう一度
ふたたび「貝の火」
「よだかの星」
テロリスト賢治?
ボタンを掛け違える?
ほんとうは自分が救われていた
花巻農学校の賢治先生
シャドウとの戦い
父のシャドウ、賢治のシャドウ
賢治は「銀河鉄道の夜」に何を託したか
「雨ニモマケズ」のそのあとに
銀河の果てまで
「妄言 多謝」
第三章 賢治雑感
マチガイない
インドラの網
賢治と漱石
神秘と「インドラの網」
「水仙月の四日」
賢治の現実
原子力を思想化する
拝啓 宮澤賢治さま
第四章 宮澤賢治に愛をこめて