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村上春樹はグローバル・ポピュラー・カルチャーとしての「アメリカ文学」を日本語で書いた作家である…。アメリカ文学、宮崎駿、新自由主義とポストモダニズムなどを縦横に論じる新たな「文学論」の冒険。
目次
第1章 グローバル化の文化と文学 ——村上春樹、ティム・オブライエン、レイモンド・カーヴァー
Ⅰ はじめに――雑貨としての洋書とその背後にあるもの
Ⅱ グローバル化する文学のポストモダニズム
Ⅲ 純文学と内外の分別――大江健三郎の村上春樹評
Ⅳ 故郷〈ホーム〉の喪失――『本当の戦争の話をしよう』
V 「誤読」の世界――村上春樹とレイモンド・カーヴァー
Ⅵ おわりに――グローバル化の文学とは
第2章 村上春樹とポストモダン・ジャパン ——リベラル・グローバリズムのセカイ
Ⅰ 「魂の行き来する道筋」と『1Q84』のセカイ
Ⅱ イシグロ、『ナウシカ』、『AKIRA』における核
Ⅲ 90 年代ハリウッドのディザスター映画が隠しているもの
Ⅳ 奈良美智のポストフェミニズム
Ⅴ 宮崎駿の『魔女の宅急便』と『紅の豚』
Ⅵ やりがい搾取と自己啓発革命とその外部
VII 階級化されたセカイを発見するこ
第3章 『多崎つくる』とリアリズムの消滅 ——アメリカ・モダニズム小説の意味
Ⅰ 『多崎つくる』のねじれ——リアリズムの幻想
Ⅱ アメリカ・モダニズム小説の「興隆」とわれわれの現在
Ⅲ 内転する帝国主義としての異性愛の中心化——『グレート・ギャツビー』
Ⅳ アイデンティティが競争し合う市場——『日はまた昇る』
Ⅴ 偶有性に隠蔽される歴史——『アブサロム、アブサロム!』
Ⅵ われわれの住む帝国の記述
わたしたちの〈いま〉のリアリズムとユートピア ——解説にかえて 河野真太郎
Ⅰ はじめに――三浦玲一氏の歩み
Ⅱ ポストモダン文化がグローバル文化であること
Ⅲ 『魔女の宅急便』が名作である理由
Ⅳ ユートピア批評へ