「人種か、階級か」を超えて

ロビン・D・G・ケリー 著, 村田勝幸 訳

5,000円(税込)

株式会社彩流社

“警察の残虐行為”も“インターセクショナリティ”も、理解の鍵は歴史にある!

1930年代アメリカ南部アラバマにおける黒人と白人、労働者と農民、男性と女性……。さまざまな二分法が錯綜するなかで、それぞれの社会的位置から運動を組織化したコミュニストたちの軌跡を描いた労作。アメリカ歴史家協会エリオット・ルドウィック賞など多数を授与され、労働史や黒人史の分野で「古典」の地位を確立した本書(原書名『Hammer and Hoe』)は、オリジナル版刊行後30年以上経った今、いっそう輝きを増している!

【目次】
日本語版への序文
25周年記念版への序文──「ハンマーと鍬」の数奇な経歴
序文/謝辞/凡例/本書で使用する略号 /図版資料一覧
プロローグ ラディカルな起源──バーミングハム、1870〜1930年
  第1部 地下── 1929〜1935年
第1章   見えない部隊──仕事、救済、そして運動の誕生
第2章   エジプトランドにて──分益小作人組合
第3章   組織化するか、さもなくば飢えるか!──コミュニスト、労働、そして反ラディカルの暴力
第4章   困難のただなかで──人種、性別、そして国際労働防衛(ILD)
第5章   ニグロは黒じゃねぇ、そうじゃなくて赤だ!──黒人コミュニストと対抗文化
  第2部 ボルシェヴィズムから立ち上がりて── 1935〜1939年
第6章   合法性獲得への道──バーミングハムの人民戦線、1935〜1937年
第7章   南部諸州に産業別組合会議(CIO)あり!
第8章   旧奴隷、ニューディール──コミュニストと公共事業促進局(WPA)
第9章   アラバマ農村部の人民戦線
第10章  民主戦線
  第3部 塹壕に戻る── 1939〜1941年
第11章  南部青年の行進!
エピローグ 黒人へと消え入る──戦争、革命、そしてその先の見えない部隊
訳者あとがき
原註/索引