内容学と架橋する普遍的保健体育科教育論

後藤幸弘 編著

2,970円(税込)

杏林書院

「教科教育学」とは、学校における教科の実践にかかわって、教科の本質・目的・内容・方法などの諸事象を対象として科学的研究を行う分野です。本書のタイトルを「内容学と架橋する普遍的体育科教育論」としたのは、免許科目である保健体育科教育法、あるいは保健体育科教育学についての捉え方があまりにも方法論に偏しているように感じることがベースにあります。方法は、目標・内容と学習者の交点において考えられるべきものであり、すなわち、運動学を代表とする体育諸科学と教科教育学は、連動・一体化される必要があるとの思いを“架橋する”の言葉に込めました。また、指導要領の改訂ごとに、現場が振り回されない普遍的なテキストにしたいとの思いが普遍的体育科教育論とさせたのです。
体育科は、身体運動文化を教科成立の基盤とし、「的確な判断に基づく行動力の育成」を目指す教科と言うことができます。練習は同じことの繰り返しと思わせるのではなく、創造的行為の連続であると認識できる子どもを育成しなければなりません。
本書は、身体運動文化から教育内容を措定でき、その奥深さに触れ、それを教育に活かせる教師の養成、「よい体育授業」のできる教師のためのテキストとしてまとめたものです。