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現代の犯罪には,ストーカー,ハラスメントなど現代型新型犯罪も生まれ,多種多様な側面をもつ複雑な事象のため,犯罪者学,被害者学,犯罪社会学等の協力,共同作業といった,多面的・総合的なアプローチが必要不可欠となっている。 本書は,初版から20年かけて改訂を重ねた『犯罪学』第5版の全訳である。犯罪学理論について,主に犯罪社会学の視点から,古典から現代の最新理論までをわかりやすく解説している。さらに知識社会学的文脈から各理論の誕生を分析し,これら諸理論のその後の運命,現在的状況までも言及するという包括的内容で,しかもこれらの理論の分析と紹介,記述,比較,利点と短所,批判は一党一派に偏らず,きわめて客観公正な立場から論じているのが特色である。 最後は,まだ進展中の領域である犯罪学研究の将来的展望を示し,刻々と変化する社会的背景に合わせた多面的,統合的な理論構築の可能性を秘めている。 犯罪学を志すすべての方に読んでいただきたい一冊である。