歩行のニューロリハビリテーション 第2版

中澤公孝 著

2,970円(税込)

杏林書院

本書は、初版から変わらぬコンセプトとして、歩行機能の再獲得をめざしたニューロリハビリテーションの理論的基盤、つまり中枢神経の可塑性とヒトの直立二足歩行に関する神経科学、その最新の知見をまとめた理論書です。実際のリハビリテーションとして、トレッドミル歩行トレーニングや装具歩行トレーニングの例は、いずれも理論的基盤に立脚した実践例を述べています。
本改訂では、理論では、筋シナジーの詳細な解説と、その活動度が解読できることを示し、脊髄CPGとヒトのステッピングの生成の可能性にかかわるニューロモジュレーションについて解説しました。さらにこれに関係するパラアスリートの脳研究も、中枢神経再編を誘導するメカニズムと効率的誘導法開発につなげる研究が今まさに必要との認識から、新たな章を設けてまとめました。
臨床では、従来の歩行補助装置やトレッドミルを使ったトレーニングに加え、ノルディックウォークのリハビリテーションへの応用可能性や、水中ポールウォーキングの効果も解説し、外骨格型歩行装具についても新しく紹介しました。
本書が歩行の再獲得とニューロリハビリテーションの研究に興味を持つ多くの読者の知的好奇心に応え、研究・臨床の現場で、成果をあげるための論拠となることを意図しています。
また、Coffee Breakとして、著者の思索や体験を交えた話を章末に盛り込んでいますので、楽しく読んでいただければ幸いです。