健康・スポーツ科学のための調査研究法

山下秋二 編著

3,300円(税込)

杏林書院

調査的研究手法は、社会科学系分野で多く利用される研究手法ですが、健康・スポーツ科学におけるさまざまな分野の中でも数多く利用されています。しかしながら、調査という手法を用いる際の研究の特徴や、データを得るまでの手順、データ取得後の処理方法などに対する理解不足などのため、調査したデータを研究や現場での活動に十分活かせられていない場合も多くみられます。
そこで本書では、健康・スポーツ科学分野を専攻する学生や大学院生、研究者のために、調査研究にかかわる研究手法について概説しました。Ⅰ部:調査研究の基礎(質的調査法と量的調査法のどちらを用いる?)、Ⅱ部:量的調査研究法(質問紙作成時に気をつけることは?、調査データをどのように処理・分析すればよい?)、Ⅲ部:質的調査研究法(質的調査法によりデータを収集してみたい)、Ⅳ部:調査研究の実際(質的研究法により得られたデータをどのように活用する?)から構成されています。健康・スポーツ科学の多くの分野で用いられる量的調査法に加え、インタビュー法などを用いた質的研究法についても章を設け概説しました。また、これらの量的および質的研究手法により得られたデータをどのように活用しているかの事例も紹介しています。
これまでの調査研究法に関する指南書とは異なり、調査研究にかかわる考え方や活用法、具体的なスキルについて幅広く扱っています。また、まとめられている内容も、初心者の方が理解しやすい内容から、ある程度研究経験のある方でも参考となる内容を扱っています。そのため、本書の章に従って順序よく読み進めた際、本書の内容を「難解だ」と感じてしまう方もいるかもしれませんが、読者の研究経験や興味などに応じて本書を利用して頂ければ幸いです。