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2012年に文部科学省は、幼児期に体を動かして遊び、運動することの重要性を指摘し、子どもたちが少なくても一日60分間以上、運動することを勧める「幼児期運動指針」が策定されました。これは、全国の幼稚園児や保育園児、保育者(幼稚園教諭・保育士)を対象にした大規模な調査研究や、学術的な文献研究などを積み重ねた結果にも基づいています。
本書は、「幼児期運動指針」に盛り込まれた内容や考え方をわかりやすく解説するとともに、幼児の教育・保育現場において役立つような実際知識をより多く加味した内容になっています。幼児期の運動は、それが「体力の発達」や「運動能力の向上」といった運動にかかわるものだけではなく、「こころ」の成長や「認知機能」、とりわけ脳の発達を促すことにも大きな注目が集まっており、最新の研究成果についても記述しています。付録には、運動能力の測定方法や評価の方法を文部科学省の示した方法に準拠して示しました。
幼児教育や幼児の運動に関心を持つ研究者、大学教員、幼児教育や保育を志す学生、現場の保育士、幼稚園教諭、の皆さんをはじめ、幼児教育や保育に関連する方々にとって、有意義な一冊となることを願っています。