エラーが発生しました。
2008年に発行しました「乳酸をどう活かすか」の第2弾として、執筆陣・内容も新たにした「乳酸をどう活かすかⅡ」を発行しました。
乳酸産生が高まり、血中乳酸濃度が上がったということは、脂肪に比較して糖の分解と利用が高まったということであって、酸素が足りないとか、体内が無酸素状態ということでは必ずしもありません。乳酸が多くできる運動が無酸素運動なのでもありません。乳酸が多くできる強度の高い運動でも、酸素を使ったATP産生が主体です。最近では強度の高いトレーニングをしても、筋肉にミトコンドリアが増えることがよく報告されていますし、強度の高いトレーニングは無酸素トレーニングでもありません。乳酸も有酸素−無酸素という酸素摂取量中心の視点から離れて、糖の観点でみることが必要です。
血中乳酸濃度は低ければ低い方が良いというのではなく、高い方が良い場合もあります。近年、比較的簡便に血中乳酸濃度を測ることができるようになりました。それをうまく活かすことができれば、体内の状況を知る指標になるので大変役に立ちますが、測定法も含めて実際にはどう活かしたらよいのかが理解されていない場合も多くあると思われます。
本書では、乳酸の基礎的理解にはじまり、血中乳酸濃度測定の方法と測定値の解釈、各種競技スポーツ現場での活かし方、さまざまな場面で活用される乳酸について丁寧に解説しました。血中乳酸濃度測定を競技を中心に長年にわたり活用してこられた先生方のデータが大変説得力があります。これから、トレーニング効果の指標として、血中乳酸濃度測定の導入を考えている方はもとより、すでに血中乳酸濃度測定を行っている方にとってお薦めの1冊です。