エラーが発生しました。
近年、身体不活動や座位行動は、多くの慢性疾患や障害の共通因子であることが確認され、継続的な身体活動・運動実施は、生活習慣病や要介護態のみならずQOLをも改善しうることが期待されています。
本書では、身体活動疫学研究へのパラダイムシフトの必要性を解説するとともに、その定義や内容、方法論に関して解説し(第1章)、身体活動・座位行動の規定要因を明らかにし(第2章)、疫学研究の成果から得られた各種(生活習慣病、要介護状態およびメンタルヘルス関連)のヘルスアウトカムとの因果関係を整理しました(第3〜5章)。身体活動、身体不活動(座位行動)を生理・分子生物学の観点からエビデンスを明らかにし(第6章)、また、より詳細な内分泌・代謝、筋骨格系、脂肪組織、免疫機能、脳機能の身体運動に伴う生体機能適応を支える分子機構を丁寧に解説しました(第7章)。さらに運動による健康化に向け、日本人の健康づくりに適した運動習慣化プログラムも加え(第8章)、最終章(第9章)では、日本人の身体活動と体力の実態および加齢変化に関して、標準的データの提示とその利用価値などに関しても解説しました。
体育・スポーツ科学を学ぶ学生、研究者、指導者や、さらに生活習慣病・介護予防に関わる医学・福祉・健康関連分野の研究者や専門職の皆様に必須の情報をわかりやすく体系的に解説した必携の1冊です。