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2017年に告示された幼稚園教育要領、保育所保育指針、認定こども園保育・教育要領では、これからの時代に求められる教育を実現していくために、幼児教育において育みたい資質・能力および「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が示されました。健康な心とからだ、自立心、協同性など10の姿があげられています。
誕生してから子どもは自発的に手足やからだを動かし、眼や耳、皮膚などをとおして成長に必要な刺激とふれあい、内発的な機能を発達させていきます。乳児期を経て幼児期、学童期へと成長しますが、幼児期や学童期は子どものからだや知的発達にとって特に大切な時期で、教育的な働きかけもその人の生涯に及ぶ影響力をもつほどです。とりわけ幼少年期の遊びや運動は、心やからだの発達に欠くことができないものですが、近年では脳の発達という観点からも遊びや運動の必要性が認識されてきています。
子ども達がからだを動かす気持ちよさを感じ、十分に全身を動かし活動意欲を満足させる体験を積み重ね、心身の健康で調和的な発達を促すため、体育・スポーツ科学の専門的知識と技能を備え、子どもの理解に立つ幼少年期の運動遊び・体育指導ができる人材の養成が待たれています。
本書では、子どもの「からだ」「心」「動作や運動」の発達の理解、それを踏まえた指導法の理解と実践法、その上に子どもの育ちの基盤となる「生活」、配慮が必要な子どもの理解と援助等、幼少年期の運動遊び・体育指導を行う上で必要な知識を深めるとともに、実践へどのように繋げるかのヒントも多数示しています。