疲労と身体運動

宮下充正 編著

2,640円(税込)

杏林書院

「目がしょぼしょぼする」「腕に力が入らなくなった」「からだがだるくなった」など疲れは,いろいろな部分でさまざまに表現されます.では,「疲れ」とは一体何なのでしょうか? 本書では,スポーツや健康に関連する身体運動と疲労の関係について,理論面(身体の諸機能)と実際面(健康やスポーツ競技)からアプローチしています.
理論的背景では,脳・神経・筋・エネルギー供給機構と疲労がどのようにかかわっているのかを,エビデンスをベースとして解説しています.また,効果をもたらす運動強度や過労を引き起こさない適度な運動強度と継続時間についても言及しています.
続く理論と実際では,トレーニング効果をもたらす身体運動にはどの程度の疲労感が適度なのかを持久力・筋力・健康づくりの面から活動基準を示しながら解説しています.また,青少年・中高年・健康寿命といった年齢と疲労の関係についても言及しています.さらに,近年増加している登山についても,安全・快適・健康的な登山をするための指針を示しています.
競技スポーツでは,短時間運動と長時間運動に分け,各競技種目ごと身体運動量と疲労が起こるメカニズムや疲労を残さない休養の仕方などが記述されています.また,睡眠・栄養摂取・筋への刺激(ストレッチングやマッサージ)による疲労からの回復について具体例を交えながら詳述しています.
各項目は見開き4〜8ページで完結するように構成しています.始めから順番に読み進めるも良し,気になる項目を見つけて読んでみるのも良いでしょう.