奈良 その光と陰 ―20世紀後半以降の地域的諸相-

淡野明彦・穴田敏之・神野 浩 著

7,700円(税込)

古今書院

 「飛鳥京」、「藤原京」を経て「平城京」が開かれた奈良は、古代からの伝統を受け継ぎ、遺跡や古墳をはじめ、その面影を残す地域がある一方、大都市大阪の近傍にあることにより、県北部では都市化の進行が著しい。また、県南部には「近畿の屋根」とも称される険しい山地が広がっており過疎化による地域社会の崩壊が危惧される地域があるという大きく三つの面が同時に進行している。
 奈良の地理的諸相については、これまでに貴重な地誌書がいくつか刊行されてきたが、上記三つの面が活かされて変貌している、いわば「光」の面と、そうではない「陰」の面をテーマ的に取り上げ調査・記録し奈良の全体像を立体的に把握できるように配慮した。さらにテーマに関連する10編のコラムで補完する。
 大都市近傍で都市化が進行する地域や過疎化の著しい地域が同時に進行するケースの研究及び地域開発の参考になる。