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東京工業大学の1年生必修の化学教科書の量子化学編が一般読者にも公開.本書では化学現象を微視的根本原理に基づいて理解する学問である量子化学の基礎を解説する.全7章構成.
まず,量子力学の基礎原理を学習し,波動関数の意味と性質を理解する.次に,粒子の1次元・2次元・3次元運動について,量子力学的取り扱いに習熟する.そして,ここまでの基礎知識をもとに,原子内での電子の運動を理解する.最後に,量子力学における近似法を利用することにより,分子の電子状態や結合性について量子論的描像を得る.各章には練習問題(解答解説付き)と章末問題があり,理解の確認ができる.化学科の教員による執筆で,量子化学のエッセンスが凝縮されている.4学期制に使いやすい.
<目次>
第1 章 量子力学誕生前夜―前期量子論
1—1 量子化学とは
1—2 黒体から放出される光
1—3 光電効果
1—4 水素原子の発光
1-5 ボーアの理論
章末問題
第2 章 量子力学の基本
2—1 物質の波動性
2—2 シュレディンガー方程式
2—3 ハミルトニアンと演算子
2—4 波動関数の解釈
章末問題
第3 章 箱の中の粒子
3—1 1次元の箱に閉じ込められた粒子
3—2 エネルギー準位と波動関数の一般的性質
3—3 粒子が複数存在する場合の取り扱い
章末問題
第4 章 水素原子
4—1 極座標表示と中心力のハミルトニアン
4—2 角運動量
4—3 水素原子の波動関数
章末問題
第5 章 多電子原子
5—1 有効核電荷モデルと原子軌道
5—2 電子スピンとパウリの排他原理
5—3 電子配置と周期律
章末問題
第6 章 分子の構造とエネルギー(1)
6—1 水素分子イオンのハミルトニアン
6—2 LCAO 近似
6—3 軌道エネルギー
6—4 分子軌道
章末問題
第7 章 分子の構造とエネルギー(2)
7—1 水素分子
7—2 分子軌道の構築法
7—3 等核2 原子分子の分子軌道と電子配置
7—4 異核2 原子分子の分子軌道と電子配置
章末問題