ナラティヴとダイアローグの時代に読むポー

辻和彦 編著, 山本智子 編著, 中山悟視 編著

2,200円(税込)

株式会社彩流社

ポー作品をめぐる「結合の神秘」。

「ナラティヴ」と「ダイアローグ」を鍵概念にして、イタリア文学、仏文学、独文学、中国文学などの他領域の文学者や心理学、教育学、ジェンダー研究者といった異なる視点からポーという物語のなかに沈み込んだ「声」を照射する。「多様性の時代」に浮かび上がるポー!

【目次】
はじめに
序 論 【対談】ポーとヴォネガット
     ーー私たちはどこに向かうのか?(中山 悟視×辻 和彦)
第一章 分析的理性の暗転
     ーーE・A・ポー「アッシャー家の崩壊」とE・T・A・ホフマン『世襲領』再考
(磯崎 康太郎)
第二章 疫病と悪夢
    ーーマンゾーニ『婚約者』を通して「赤死病の仮面」を読む(霜田 洋祐)
第三章 アンドレ・ブルトンにおけるポーの位置と〈崇高なるユーモア〉 (有馬 麻理亜)
第四章 何がポーに小説を書かせたのか
     ーー特殊と普遍のあいだ (高橋 俊)
第五章  【対談】ウィリアム・ウィルソン
     ーートランスジェンダーの視点から(町田 奈緒士×辻 和彦)
第六章  【対談】ポーの「黒猫」
     ーー近代的な「まなざし(視線)」(光田 尚美×辻 和彦)
第七章  【対談】根源的自己への回帰の旅
     ーー理想郷を探して(山本 智子×辻 和彦)
終 章 ツナミの記憶
    ーーエドガー・アラン・ポーと恐怖の彼方に(辻 和彦)
むすびに代えて—新しい扉をひらく
索引