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「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。
歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交えて描く歌謡社会文化論!
「…「はやり歌」たちは、 戦争を挟んで六十余年もつづいた「昭和」とは一体いかなる時代であったのかをあぶりだしてくれる。さらに「過去の日本」のありようだけでなく、そこからは「明日の日本」を垣間見ることができるかもしれない。今も街場の「はやり歌」たちは、そのための手掛かりとして発見されることを待っている。」(本書「まえがき」より)
【目次】
Ⅰ 希求と喪失の章
第1話 「炭坑節」(歌・赤坂小梅ほか)
GHQと炭坑節が戦後日本をつくった!?
第2話 「テネシーワルツ」(歌・江利チエミ)
映画「鉄道員(ぽっぽや)」と地底の炭坑夫への挽歌
第3話 「東京のバスガール」(歌・初代コロムビア・ローズ)
彼女たちは明るく走っていなかった?
第4話 「あゝ上野駅」(歌・井沢八郎)
元“金の卵”たちにとって上野は今も「心の駅」だろうか
第5話 「南国土佐を後にして」(歌・ペギー葉山)
戦中戦後をつなぐ“詠み人知らず”の元軍国歌謡
第6話 「スーダラ節」ほか(歌・植木等/ハナ肇とクレジーキャッツ)
サラリーマンソングは「昭和」をあぶりだす
Ⅱ 異議と蹉跌の章
第7話 「アカシアの雨がやむとき」(歌・西田佐知子)
60年安保闘士と越山会の女王の“異床同歌”とは
第8話 「夢は夜ひらく」(歌・園まり)
「圭子の夢は夜ひらく」(歌・藤圭子)
「檻の中」生まれの唄は、なぜシャバへまんまと出たのか
第9話 「唐獅子牡丹」(歌・高倉健)
ヤクザ映画は“参加すること”に意義がある!?
第10話 「世界の国からこんにちは」(歌・三波春夫ほか)
万博の“笛吹男”はラーゲリ帰りの“赤色浪曲師”
第11話 「遠くへ行きたい」(ジェリー藤尾)
「いい日旅立ち」他(歌・山口百恵)
「ディスカバージャパン」・失われた世代の「挽歌」
Ⅲ 祈念と失意の章
第12話 「一本の鉛筆」(歌・美空ひばり)
“昭和の歌姫”がうたい遺した鎮魂の反戦歌
第13話 「ムジン河」(歌・ザ・フォーク・クルセダーズ)
“分断のシンボル歌”が今も歌い継がれる不幸
第14話 「沖縄を返せ」(作詞・全司法福岡高裁支部、作曲・荒木栄)
「身を捨つるほどの 祖国はありや」
第15話 「 何日君再来(フォーリン・チュン・ツァイライ)」(歌・テレサ・テン)
時代を超えて敵にも味方にも愛されるラブソング
IV 災厄と予兆の章
第16話 「丸の内音頭」(歌・小唄勝太郎/三島一声)
「東京音頭」は四度死ぬ
第17話 「東京五輪音頭」(歌・三波春夫)
「東京五輪音頭2020」(歌・石川さゆり 他)
“遺産転がし”による「国民総踊り計画」はなぜ失敗したか
第18話 「船頭小唄」(作詞・野口雨情、作曲・中山晋平)
「昭和枯れすゝき」(歌・さくらと一郎)
コロナと百年前の疾病を予知した「謡歌」たち
第19話 「カチューシャ」(作詞・M.イサコフスキー、作曲・M.ブランテル、訳詞・関監子)
ウクライナ戦争を読み解くリトマス試験紙である!