あなたの知らない食虫植物の世界 (DOJIN選書: 97)

野村 康之 著

2,420円(税込)

株式会社化学同人

ようこそ、食虫植物ワンダーランドへ
●ハエトリグサが罠を作動させるしくみとは?
●ウツボカズラの捕虫器のなかの液体の正体は?
●食虫植物はどこに生育している?
●なぜ虫を捕らえるようになったのか?

食虫植物にどんなイメージをお持ちだろうか.
罠で虫を捕まえる,食べた虫を消化する,
植物なのに動く,日本には生息していない,
人も食べられる…….
でもそのイメージは間違っているものがあるかもしれない.
本書では,食虫植物の本当の姿を知ってもらうために,
趣味で研究をつづけている著者が,食虫植物の定義,
捕虫方法,生息環境,虫との関係,進化の過程,
そして保全のあり方まで,国内外の研究を網羅してくわしく解説.
ダーウィンも虜にした摩訶不思議な植物の世界をご堪能あれ.

●本文より
食虫植物が興味の対象となるのは,“植物なのに”虫を食べる,という,
人間から考えるとやや“ちぐはぐ”な性質ゆえだろう.
私にしてみると,あまり注目されていないだけで,
多くの植物は一般の認識以上に,“ちぐはぐ”で“変”な性質を持っている.
とはいえ,いきなり身近でもない,名前を聞いたこともない植物の
生態について紹介されても,実感が湧かないこともあるだろう.(中略)
食虫植物は,植物の奥深い生態を紹介する教材となると考えている.

<目次>
序章 誤解されがちな食虫植物
第1章 食虫植物はどんな植物か
第2章 食虫植物はどのように虫を捕まえるか
第3章 食虫植物はどこにいるか
第4章 食虫植物と蟲とはどのような関係か
第5章 食虫植物はどのように進化したか
第6章 食虫植物をどのように保全するか