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本書は、凸多面体の数え上げ理論の専門書である。面の数え上げと格子点の数え上げの両者を扱う専門書は、洋書、和書を問わず、本書が唯一無二である。本書では、1970年以降の凸多面体の現代的理論の骨格を紹介する。予備知識を仮定せず、礎となる定理の証明は必要な補題を完備し、丁寧に解説する。
第1章は、凸多面体の一般論を簡潔に集約、双対多面体の基礎を紹介し、オイラーの多面体定理とDehn-Sommerville方程式を証明する。
第2章は、凸多面体の面の数え上げ理論の金字塔である上限定理と下限定理の証明の全貌を詳細に解説するとともに、<歴史的背景>として、可換代数、代数幾何との絡みを紹介する。
第3章は、格子凸多面体の格子点の数え上げの礎であるエルハート多項式の理論を導入、その発展を育む土壌である回文定理と下限定理を証明し、順序凸多面体の理論を解説する。加えて、<展望>として、格子凸多面体の研究の潮流を、文献とともに紹介する。