複素関数の基礎

吉田 伸生 著

3,520円(税込)

共立出版

 本書は、複素数の定義から始め、正則関数の基本性質(コーシー・リーマン方程式、コーシーの定理、コーシーの積分表示、テイラー展開、一致の定理)と留数解析(留数定理、定積分計算、偏角原理、ルーシェの定理、開写像定理)を主な内容とする。
 初学者が学び易いように記載内容は根幹に絞り、枝葉への言及は最小限に留めているが、たとえば交流回路に対するオームの法則、楕円関数、リーマン面などの例・余談を盛り込むことで、複素関数論の広がりや歴史も感じることができる。
 本書では、十分に一般的仮定のもとで定理を述べ、厳密な証明を与えている。一方で、特に複素関数論を応用の立場から学ぶ読者に向けて、要点を手早く習得できる「近道」も随所に用意しており、目的に応じてカスタマイズできるよう構成している。