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米国を「人種・民族・国籍」といった観点で論じたテキストからは「日本を問い直すための米国史」が浮かび上がる。各章末に関連書籍の読書案内、問題提起、日本社会にあてはめて考えるディスカッションのポイントを挙げた。
目次
序 アメリカの歴史から考える 兼子 歩
第一部 マイノリティの表象
第一章 人種的〈他者〉としての黒人性
――アメリカの人種ステレオタイプを例に――坂下 史子
第二章 先住民族の大地――
「移民の国」という幻想への抵抗――石山 徳子
第三章 統治の制度としての多様性
――アメリカ同性愛者権利運動の歴史から考える――兼子 歩
第四章 テクノロジーが創る国民・エスニシティ
――文化的アイコンとしての科学・技術と集団アイデンティティ
――土田 映子
第二部 マイノリティの「コミュニティ」を再考する
第五章 「差別でなく区別」考――
ジム・クロウ(人種隔離)は区別で、ERA(男女平等憲法修正)
こそが差別なのか?――大森 一輝/森川 美生
第六章 人種主義を生き延びるためのエスニシティ論
――コミュニティの二重性をめぐって――南川 文里
第七章 労働史から見た移民コミュニティ
――オマージュを乗り越えて――南 修平
第八章 黒人都市ゲトーを見つめるまなざし
――シカゴの事例から――藤永 康政
第三部 アメリカの「自由」とマイノリティ
第九章 「移動の自由」と「パスポート」
――自由の国アメリカにおける不自由――梅﨑 透
第一〇章 「自由の国」の憲法と社会
――日系人戦時強制収容から考える――和泉 真澄
第一一章 アメリカ難民政策の問題点
――受け入れ国への「感謝」が意味するもの
――佐原 彩子
編者あとがき 「ヘイトの時代」を生き抜くために
――トランプ大統領という悪夢の処方箋――貴堂 嘉之