世界史から見た新宿騒乱事件

柴田 潤一 著

2,200円(税込)

株式会社彩流社

1968.10.21(国際反戦デー)までの道のり
「結果」には歴史的な背景がある。
「歴史」から学び行動することこそが重要だ。

歴史的事象の鍵語は「近代市民社会の成立」だ。その基軸が独立自営農民と近代産業資本である。60年代の運動末期には党派闘争で学生側にも警察側にも死者がでた。その後、爆弾闘争によって市民にも死傷者がでた。病を得た著者はいつ死んでもおかしくない身となって、かつて運動の「渦中」にいた者として書き残しておきたいことをまとめようと決意。若い世代が、かつての「著者」たちの経験を知り、今後に役立ててほしいという一念からのことであった……。

【※近刊(刊行日、タイトル、販売価格等が変更になる可能性がございます)】

目次
第一章 新宿騒乱事件とロシア革命
 一九六八年十月二十一日、国際反戦デー
 自分史の中のベトナム戦争
 「私はユダヤ人を一人も殺していない」
 共産主義の宗教性とあの日々
 近代市民社会とロシア革命の特殊性
第二章 ヨーロッパの農業形態と産業革命
 三圃制農法の成立
 イギリスの産業革命と三圃制と村落共同体の解体
 なぜ、ロシアに近代市民社会は成立しなかったのか
 フランス革命とヨーロッパの宗教革命
 絶対主義とは何か
 インカ文明の滅亡、ユダヤ人迫害の背景
第三章 ヨーロッパ 海の宗教戦争
 「東インド会社」とアヘン戦争
 資本主義とマルクスの「労働価値説」
 フランス革命とロシア革命の違い
第四章 東方正教会と農民の革命運動
 東方正教会とクリミア戦争
 アメリカの奴隷解放とロシアの農奴解放令
 ロシア史上初の地方自治を行うゼムストヴォ機関
 日露戦争の衝撃と「血の日曜日」
 第一次ロシア革命と農民の革命運動
第五章 第一次世界大戦とロシア十月革命
 初めての資本主義戦争
 武装した農民の軍隊
 ロシア革命までの歴史の流れ
 「失われた世代」と十月革命
第六章 ロシアとドイツの運命を分けたもの
 ドイツ「血の数週間」
 『アンナ・カレニーナ』と『静かなるドン』の世界
 レーニンとクロンシュタットの反乱
 ロシア農業の集団化
 ロシアの大飢饉と計画経済
 赤軍の大粛清とソ連が生き残った要因
 ソ連の成立、アメリカのニューディール政策、「社会ファシズム論」
第七章 スペイン内戦・ベトナム戦争・全共闘運動
 スペイン内戦と類似する全共闘運動
 ソ連共産党と市民軍
 全共闘運動とベトナム戦争
 軍国主義世代との対決
 ベトナム戦争と『ラッセル法廷』
 ベトナム解放区・農業問題・フィリピンの武装ゲリラ
第八章 国家の文化的背景の考察
 イギリス、ロシア、ドイツ、日本
 歴史から学ぶこと
エピローグ
文献一覧