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本書は、物理学を学ぶうえで最も有用であると同時に最も美しい数学の一つであり、理工系学部生にとっては必須である複素関数論とその応用に関する教科書である。本書では、複素関数と実関数との間の本質的相違が数学を専攻していない理工系学生でもよく理解できるように配慮して執筆されている。一方で、物理学への応用も念頭に置いて、役に立つ、使える数学にすることも目指している。本書の前半では複素関数論の基礎を解説し、後半は複素関数論の応用を扱う。特に、複素領域での2階線形常微分方程式の解法を与える。さらに、Fourie変換を用いて解を求める方法も紹介する。これらは、力学、電磁気学、量子力学で登場する様々な微分方程式を解くための系統的な数学的取り扱いの基礎となる。章末には演習問題もつけ、その解答例はウェブ上で公開する。