ワンルームから宇宙をのぞく

久保勇貴 著

太田出版

福岡伸一、大推薦。

顕微鏡の奥のコスモスの花びらを数えてひとり微笑むような、
偏愛的で心温まる全く斬新な科学エッセイ登場。
――福岡伸一(『生物と無生物のあいだ』著者)

ヨシタケシンスケ、山崎直子、絶賛!

探査機のスキマにはさんで
宇宙の誰かに届けたい本、No.1。
――ヨシタケシンスケ(絵本作家)

若手研究者ならではの貴重なエッセイ。
私も共感しきり、初心にかえって心が洗われました!
――山崎直子(宇宙飛行士)

「空を飛ぶこと」に異様な執着を持つ若者は、
宇宙飛行士になることを目指して、
東京大学の航空宇宙工学科へ。
そして、やがてJAXAの門を叩く。

宇宙のなかに、日常がある。
日常のなかに、宇宙がある。

笑っちゃうくらい壮大な宇宙と
手のひらサイズの日常をダイナミックに行き来する
新感覚の宇宙工学エッセイ!

著者待望のデビュー作。

“だからたとえば、宇宙の果てが一体どうなっているのか、
この本は答えることができないと思う。

地球上の生命が何のために生まれたのか、
答えることができないと思う。

どうすれば重力の底から抜け出せるか、
教えてあげられないと思う。

けれど、どこかの誰かの生活の隙間を埋めることはできる。
ちぎって丸めて詰め込んで、ぴたりと寄り添うことはできる。
壊れてしまいそうな時に、ふんわりとその慣性を抱きとめることはできる。

だって、地球は宇宙だから。

地球が宇宙であるように、
このワンルームでの生活はどこかの誰かの生活でもあるはずだから。
この部屋も、隣の部屋も、職員室もロッカールームも、
広大な宇宙と同じ物理法則に支配された一つの空間であるはずだから。”

(本文「はじめに」より)