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「国家の物語」から「ディアスポラの物語」へ
資本主義の高度な発達によるグローバル化が加速した現代社会。猛烈に肥大化したハリウッド映画に代表された「映画理論」からも、グローバル化の陰で第三世界の国々に飛び火しつつある「ナショナリズムの論理」からも解放された、もうひとつの《空間》を作り出すことへの積極的な参画。本書の「映画読解行為」は新たな《闘いの場》を創造する。
(1)ナショナル・シネマとジェンダー
(2)インディペンデント・トランスナショナル・シネマの可能性
(3)植民地映画の系譜
(4)フランス映画のアイデンティティ危機
(5)植民地映画『望郷』分析
(6)ベトナム革命映画の成立過程
(7)南北分断のジェンダー化
(8)革命映画とジェンダー
(9)『インディア・ソング』アンヌ・マリー=ストレッテルの死
(10)アイデンティティと政治性
(11)白人植民ブルジョワ社会の終焉
(12)声の導く時空間
(13)『姓はヴェト、名はナム』政治的映画の製作
(14)「ベトナム女性の声」の構築過程
(15)国家とジェンダーの関係
(16)声の中の「ホームランド」
(17)ナショナル・シネマにおける国家/国民とジェンダー
(18)新しい女性表象の創造。図版資料多数収載。