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明治から大正にかけて日本の急速な近代化を生きた漱石は個人と社会、個人と個人のかかわりを真摯にみつめ小説において模索した。現代においても彼の作品、思想は広く読者を魅了し研究、考察はやまない。漱石の小説の魅力の一つとして、都市、建築空間の記述が詳細であり、それらがものがたりの重要な構成要素としていかされていることがあげられる。
本書は、小説の舞台および漱石の生涯を彩った都市や空間をイラスト化し、詳細な解説とともに、より作品世界と作家の生涯への理解を深めるこころみをするものである。