原理がわかる信号処理

長谷山 美紀 著

2,310円(税込)

共立出版

ディジタル化・ICT化の急激な発展により、私たちの身の回りにある情報の多くがディジタルで扱われるようになってきた。さらに、通信インフラの強靭化、Internet of Things (IoT) の浸透、人工知能 (AI) の高度化などにより、情報科学技術が社会の隅々まで普及してきたことは言うまでもない。私たちの生活基盤となりつつある、この情報科学技術を支える最も重要な技術が信号処理である。

本書は信号処理の基礎の習得を目指す教科書である。信号処理の基礎となるアナログ信号とディジタル信号の違いから始まり、フーリエ変換の原理、離散時間信号における処理まで、広く学ぶことができる。大学の情報系学科において信号処理・画像処理とそれらの応用に関する教育に従事してきた著者の経験から、本書は初めて信号処理を学ぶ方が教科書・参考書として利用できるよう、以下の点に配慮している。

(1) 多くの図表を配置することで、初学者にも理解しやすいように設計している。
(2) 例題・演習・章末問題を豊富に取り入れ、特に、例題は解答を付すことで理解を容易にしている。
(3) Columnを適宜配置し、説明や式の背景となる情報を提供することで、考察・議論を深めている。

ほかの信号処理に関する書籍と比較して、より原理に注目している点が本書の大きな特長である。具体的に生じる現象や信号の処理に関して根本的な理解を促している。本書を通じて信号処理の基礎を理解し、より高度な専門書の理解につなげてほしい。