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2015年12月31日、「日本に新元素の命名権が与えられる」というニュースは国内を駆け巡った。そして翌年6月8日、原子番号113番の元素の名前として「ニホニウム」が提案された。ニホニウムは元素の中で、現在のところ唯一日本にちなんで名付けられた元素である。
ニホニウムは自然界には存在せず、日本の研究機関で2つの原子核をぶつけることにより人工的に合成された。ニホニウムは超重元素または超重核と呼ばれ、元素、原子核のフロンティアと呼べるものである。
本書では、その合成・発見に至る物語を紹介するとともに、その周辺領域である超重元素・超重核の物理について解説する。元素は何番まで存在しうるのか、そして原子核はどこまで存在しうるか、原子物理・原子核物理の双方から、著者の見解も込めながら解説する。