エシェロン解析 ―階層化して視る時空間データ―(統計学One Point 19)

栗原 考次 著, 石岡 文生 著

2,420円(税込)

共立出版

 エシェロン解析(Echelon analysis)とは、位置情報を持つ観測データの相対的に高い値と低い値を持つ領域に基づき、同じトポロジー構造を持つ領域全体の表面上の値を集約し、領域を階層的に表現する手法である。エシェロン解析の最大の長所は、次元を問わず隣接情報が与えられた空間データに対して、その構造が客観的に階層化できることだ。データの分布や構造を調べるために、ヒストグラム、箱ひげ図、幹葉図、散布図、散布図行列を使用するのと同様に視覚的に記述することができる。
 さらに、本書で紹介したエシェロン構造を用いた圏、有意に高い値を示す地域(ホットスポット)の検出をはじめ、多次元時空間データへの拡張、多変量時空間データへの拡張など、より高度な時空間データ解析への展開が数多くあるということである。
 本書では、エシェロン解析の基礎となる考え方やアルゴリズム、さらに、エシェロンの構造を利用した応用例として、圏による地域の分類、リモートセンシングデータの分析、ホットスポットの検出、そして、エシェロン解析のためのソフトウェアを取り上げている。