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1989年に発行した『続 音響道中膝栗毛 外題すてれを卿行状記』の復刻版です。
本書は1973年~1978年の間、さまざまなオーディオ雑誌に寄稿した記事を一冊の本にまとめたオーディオエッセイです。アンプ製作のみならず、鉄道好きで、落語、歌舞伎、花柳界にも造詣が深い趣味人の著者が、音楽・食物・映画館・ウエスターンエレクトリック・現代オーディオ事情などを洒脱な文章で縦横無尽に語りつくします。戦前、戦後にオーディオ誌に寄稿した製作記事も豊富に掲載。アンプの神様と言われた著者が綴るオーディオ批評傑作集です。付録として、戦前、戦後にオーディオ誌に寄稿した製作記事も豊富に掲載。
【目次】
■まえがき
■獄道物語(一九七三) 獄道と開眼/音源の追求/商売人ほど無関心/幻想/字にならない音/初対面/劇場と家庭の音/劇場用スピーカーの厳しさ
■音響本道(一九七四) 鑑定家/耳をつかうときの目鼻口と手の功罪/孤独 感傷 連想/瑣事/芸が稼ぎになるとき
■うえすたん物語(一九七五) 口上/落語「酢豆腐」と「寝床」/高貴薬/落語「太鼓腹」/邦楽座/旧形を追放したシネマスコープ/磁気録音に伴う小型化/英国ウエストレックス/磁気録音四トラック時代/地方館の名機/兵器なみのプロ用装置/映画用音響装置の分布と価値/当直/録音(一)フィルム/録音(二)ディスク/言訳
■今様すてれお大名(一九七六)
■真贋物語(一九七七~一九七八) くらえども/名物にうまいものなし/目黒のさんま/さしみ/ビフテキ/とんかつ/名人/吝嗇/貪欲/味の存在/絢爛たる混淆/声帯模写/幇間と噺家/歌舞伎/新派/羊頭狗肉/プロフェッショナルという人と物/オイロダインのこと/真物の生き残れる理由
■ひとさまざま(一九七八) レコードを聞かぬ人/レコードだけを聞く人/仕方なくレコードをかける人/他人にレコードを聞かせないひと/レコードを聞き歩くひと/鳴っていればよいひと/ひとさまざまを眺めるひと
■付録「伊藤喜多男製作記事集」(一)戦前編 一九二九~一九三四
■付録「伊藤喜多男製作記事集」一九五二~一九五五
■あとがき