植物プランクトン研究法(生態学フィールド調査法シリーズ 11)

鏡味 麻衣子 著, 占部 城太郎 編, 日浦 勉 編, 辻 和希 編

3,080円(税込)

共立出版

 湖や海の植物プランクトンを見てみたい、培養したい、計数しなくてはいけない、大発生した原因を知りたい・・・など、いろいろな場面に必要になる手法を解説しています。
 冒頭では、植物プランクトンを題材にどのような研究がなされてきたのか、研究の歴史を概説しています。生態学における疑問「プランクトンのパラドックス」に対する多種共存機構の解明、物質循環における一次生産者としての重要性、アオコ・赤潮など水質問題との関係など、様々な視点で植物プランクトンの研究が重要なのかが理解していただけると思います。
 基本すぎて論文には載っていない「採集方法(第2章)」「顕微鏡下での計数方法(第3章)」「単離・培養方法(第7章)」は写真とともに丁寧に解説しています。「一次生産量の測定方法(第5章)」「生物量の測定方法(第4章)とも合わせて、基本となる手法が一冊で分かります。
 植物プランクトンの生態を研究したい時に有効な実験方法は、最新の手法を交えて紹介しています。成長を制限している栄養塩の解明(第8章)、動物プランクトンとの被食-捕食関係(第9章)、沈降速度の測定法(第6章)、ツボカビなど寄生生物との宿主-寄生者関係(第10章)など、いずれの手法も日本語での解説は本書が初となります。