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【彰国社90周年特別公開】
「住みたい街ナンバーワン」吉祥寺のJR北口駅前に、昭和の匂い漂う「ハモニカ横丁」がある。一歩足を踏み入れると、細い路地が入り組み、新旧さまざまの飲食店や雑貨店が軒を連ねていることに驚かされる。夜は赤提灯に吸い寄せられた老若男女がにぎわい、休日ともなると行列ができるほどの人気スポットだ。なぜここだけ開発を逃れ、「レトロ」とも「最新」ともいえない独特の魅力を放ち、生き生きとした営みが持続しているのか? さらに、吉祥寺を飛び出し三鷹駅前のビルをコンバージョンした「ハモニカ横丁ミタカ」も生まれている。いったい誰がどう仕掛けたのか?
その秘密に迫るべく、倉方俊輔(建築史家)がこの横丁で13店舗を経営する手塚一郎(VIC代表)、店舗づくりを担った設計者たち(形見一郎、塚本由晴、原田真宏)、吉祥寺との関係が深い社会デザイン研究者の三浦展にインタビュー。さらに、焼鳥「てっちゃん」のインテリアを手掛けた隈研吾によるエッセイも収録。ハモニカ横丁には、人々が生き生きと暮らすまちづくりのヒントが隠されているはずだ。
本書では、ハモニカ横丁をソフト、ハード面ともに学ぶべき対象ととらえ、再開発が進む東京に、新たな価値を提示する。