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本書は1987年に発行した『音響道中膝栗毛』の復刻版です。
少年時代にラジオを製作してから著者が生きた60年間の中で、その時代に製作したラジオや真空管アンプ、特徴的な真空管やトランスなどのパーツ類について、著者の人生のエピソードを織り交ぜながら、洒脱な文章で語られています。
フェランティ、アマートラン、マーション、ウエスターンエレクトリック、シーメンス…真空管創世紀より、管球アンプと取り組んで60年。伊藤流アンプ製作術の原点がわかる真空管アンプファンの必読書。著者の目で眺めた真空管アンプとオーディオ発展史となっています。付録として、50、801A、6V6、F2a、E84L、EL34、Ed、WE300Bなど、過去に著者が製作した管球アンプ10点の回路図とそれぞれについての説明を掲載しています。
【目次】
■発端 田作の歯ぎしり
(一)明治四十五年~大正十三年 育ちのあらまし/放送開始以前
(二)大正十四年 ラジオ事始め/チックラーコイル/グリッドリークとマイカドン
(三)大正十五年 レオスタット/コイルさまざま/真空管のこと(199型と201型)/電池のこと/低周波トランス/クロスレーとレフレックス
(四)昭和二年 ギルフィランとニュートロダイン/ブローニング・ドレーク/真空管のこと(200型)
(五)昭和四年 真空管のこと(240型)/スーパーヘテロダイン/レコードがラジオで聞ける(電蓄事始め)/エリミネーターとレイシオンBH/真空管のこと(スクリーングリッド管222型)/真空管のこと(226型)
(六)昭和五年 真空管のこと(224型と227型傍熱管)/真空管のこと(パワー管112A、171Aの時代)/ロフチンホワイト/ブレッドボールドからシャシーへ/高周波増幅の多段化/真空管のこと(235型と二極検波)/ダイアルとノッブ
(七)昭和七年 フェランティのこと/活動写真に音がつく/アンプに専念/シネマギンザのペーセント/シネマパレスで体当たり/真空管のこと(ペントードの出現。247型と2A5型)
(八)昭和八年~十二年 マ―ションの電解コンデンサー/日比谷公会堂/真空管のこと(6・3Vに統一された球)/真空管のこと(番号が二桁になり、アルファベットが入る)/真空管のこと(トランスレス球)/八百屋になるべくしてなった倅
(九)兵隊になった変な男/ラジオ屋開店
(十)昭和二十六年~三十二年 WE300B一号機/ウエスターン・エレクトリック入社/ルーティン・サービス/録音屋になる/LPがステレオになる
(十一)昭和四十五年~そして現在 ニッケミからウエストン、そして万博/シーメンスとの出会い/部品考、悲喜こもごも/たった一人の老人ホーム
(付録一) アンプ作りのこつ
(付録二) 回路図集