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1960年代から本格化した「国土改造」は、川や海に近い軟弱地盤地帯まで街に変え、山谷を問わずに交通網がはりめぐらされました。その「改造」のために、あちらこちらで地質調査が行われ、地下探査も実施されました。そうした現場からは、膨大な地質情報が産み出されました。1980年代の後半に、それらのデータをとりまとめたのが「日本の地質 全9巻(初版)」でした。
20世紀の最後に神戸の大震災があり、21世紀になっても、三宅島の火山災害、相次ぐ地震災害、異常気象による気象災害も、あちらこちらで発生しています。いま改めて、自然との共生のあり方が問われ、新しい質の地質情報が要請されています。
そんな折に、「日本の地質 全9巻(初版)」刊行後の調査・研究の成果、例えば、北海道の石油・天然ガス地域、東北の岩手火山などの地質災害、関東沿岸の海底地質と関東平野の孔井地質層序、中部・近畿・中国の震害、四国沖の南海トラフの海底地質と構造、九州の水質汚染などの地質情報をとりまとめました。
本書におけるこれらのデータは、「日本の地質 全9巻(初版)」の内容を改訂、増補・補完するものでもあります。 また、付録のCD-ROMには、各地方の地質情報に関する参考文献が豊富に掲載されており、読者の学習、研究に大いにご活用いただけます。