グラフの数え上げ ―母関数を礎にして―

田澤 新成 著

3,630円(税込)

共立出版

 本書は、現在はグラフ理論の一つの分野をなしているグラフの数え上げに焦点を当て、その強力な道具となる母関数も含めて解説した、本邦初の書である。グラフの数え上げに限らず、他の分野の数え上げにも有用な知識を提供する。
 まずはグラフの数え上げに限らず、離散的問題の解法にも強力な道具となる母関数に関して1章を割き、解説する。その後にグラフとは何かを概説し、グラフの数え上げへと話を移していく。各点にラベルを付けた標識グラフ、その構造にのみ注目した非標識グラフ、双方の数え上げを解説し、そのあとでポリアの定理の一般化、最後には自己補グラフの数え上げ、特に1963年以来、未解決であったが、著者自身が解決した問題「標識づけられた自己補グラフを数え上げよ」をとり上げる。
 随所に母関数が使われており、グラフの数え上げだけでなく、母関数に興味のある読者にとっても有用なものとなろう。