湖沼近過去調査法 ―より良い湖沼環境と保全目標設定のために―

占部 城太郎 編

3,850円(税込)

共立出版

生態系――そこに住む生物や自然要素――は、今だけでなく将来住む人とも共有すべき財産である。この生態系を望ましい形で残し保全目標を設定するためには、今だけの姿だけでなく、過去はどのような生息場所であったのか、そこにはどのような生物がいたのか、またその生物はなぜいなくなったのかを、知らなければならない。このようなニーズに応えるため、本書ではモニタリングデータのない湖沼でも、近過去、すなわち人間活動の影響が最も顕在化した過去100年間の生物群集と環境の変遷を調べる手法を、具体的な研究例と合わせて紹介する。本書は湖沼の専門家だけでなく、広く野外科学の研究者やコンサルタント、これから研究を始めようとする初学者を対象としている。湖底堆積物に残された生物・化学情報を抽出するための遺伝情報を利用した手法、安定同位体やシードバンクの活用など、湖沼研究を実践的に行うための実験のマニュアルとしても利用出来る内容となっている。