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日本で検挙された殺人事件の犯行供用物の半数以上を包丁・刃物類が占めています(平成10、15、20、23年調べ)。過去には、大阪の池田小学校を襲撃した附属池田小事件、秋葉原で起こった秋葉原通り魔事件、川崎市の園児を狙った川崎市登戸通り魔事件など、日本中に衝撃を与えた刃物犯罪も少なくありません。
通り魔だけでなく、刃物は強盗、猥褻、怨恨、テロリズムなど、あらゆる犯罪目的のために使用される武器です。このように、自分がいつ、どこで刃物犯罪の被害者になってもおかしくないのが現実です。本書は、民間人がこのような刃物犯罪から身を守る方法を、元特殊部隊隊員と元陸上自衛隊幹部が紹介します。
※刃物は日本で起こる犯罪の中でもっとも身近な凶器なので、本書は凶悪犯罪の象徴として「刃物犯罪対処法」と謳っています。そのため、刃物を用いた犯罪シーンの想定にもっともページを割いています。しかし、この刃物犯罪への対処法は、ほかの凶器(鈍器、発火物、銃器、爆発物など)を用いた犯罪から身を守る方法と基本部分は変わりません。そのため、本書には刃物以外の凶器を想定した記述もありますが、あくまで犯罪シーンをイメージしやすくするためのものです。
目次
はじめに
第1章 犯罪リスクの整理と犯罪にあわないための準備
刃物を使った犯罪の脅威
日本の凶悪犯罪には刃物が使われる
刃物は手に入りやすく、殺傷能力も高い凶器
犯罪者の目的
強盗
ストーキング
無差別殺人
怨恨による殺人・傷害
テロリズム
身の回りのリスクを整理する
考えられるリスクを書き出してみよう
犯罪ハザードマップをつくる
ハザードマップの目的と使い方
リスクをマーキングする
犯罪危機管理の基本
危険な場所や状況で一人にならない
危険な場所から離れる
違和感に敏感になる
ルールを決める
シチュエーションごとのリスク
シチュエーション01 自宅(戸建て)
シチュエーション02 自宅(集合住宅)
シチュエーション03 路上
シチュエーション04 駅・電車内
シチュエーション05 車内
シチュエーション06 イベント会場・大型商業施設
シチュエーション07 オフィス
シチュエーション08 学校・幼児施設
シチュエーション09 空港
シチュエーション10 宿泊先
COLUMN 1 セキュリティサービスとは?
第2章 犯罪に巻き込まれたときの対処
優先順位の考え方
犯罪に遭遇したらどうするか
どの段階でも時間を稼ぐのが大事
サウンドオフ
サウンドオフの目的と方法
サウンドオフするべきかの判断基準
逃げる
逃げることの効果
逃げ方
離れた場所で何か起こった場合の対処
通報する
通報するタイミング
通報時に伝えるべき内容
隠れる
逃げられない場合の次善の策
篭城する
防御する
守るべき部位
ナイフを持つ犯罪者と対峙したら
脅威と自分との間に盾となるものを入れる
カバンで防御する
カバンの中身と入れ方
戦う
生き残るための最後の手段
一人ではなく複数で対処したい
マインドセット
ナイフ(凶器)の動きを理解して、どう対応するか
戦いに使える身近なもの
チャンスを見逃さない
犯人がナイフを落とした時の対処
複数人で対応する場合の制圧方法
フラッシュライトを使う
武器になるものを使う
自分がターゲットになってしまったら
自分がターゲットになる場合の犯罪
身の危険を感じたらすべきこと
防犯意識を高める
証拠・記録を残す
脅威が目の前に迫ったら
あらゆる脅威に備える
STOPという考え方
自分の装備(服装)、
コンディションを把握しておく
COLUMN 2 防刃素材の性能は?
第3章 効果的な防犯訓練
防犯訓練の目的と意義
訓練にどんな効果があるのか?
家族で行う防犯訓練
アームガードの有効性
対刃物で非常に有効なアームガードとは
バトンを使う
バトンの有効性とは
さすまたを使う訓練
さすまたは複数人で使う
応急処置の訓練
出血を止めることが最重要
止血帯を使う
役に立つ防犯グッズ
さまざまな防犯グッズ
おわりに