デイビス・クレブス・ウェスト行動生態学 原著第4版

N.B.Davies 著, J.R.Krebs 著, S.A.West 著, 野間口 眞太郎 訳, 山岸 哲 訳, 巌佐 庸 訳

9,680円(税込)

共立出版

 自然には不思議なことが多い。なぜ木肌に隠蔽するガもいれば、目立つ目玉模様を持つガもいるのか?クジャクはなぜ雄だけがきれいな尾羽を持つのか?巣内の鳥のヒナは、捕食者から見つかるかもしれないのに、なぜ騒がしく鳴くのか?働きアリは雌なのに、なぜ自分で繁殖せずに妹や弟を育てようとするのか?行動生態学は、このような自然界の不思議の解明に取り組み、生物がその生態の中でいかに適応しているのか、そしてそれはどのように進化したのかを調べる学問である。
 本書は、行動生態学の最も良く知られた教科書である『An Introduction to Behavioural Ecology』第4版の日本語版である。原著第2版の日本語版はすでに出版されているが、原著第4版で大幅な改訂が行われたため、日本語版も改訂して出版されることになった。本書では、行動生態学のこれまでの成果、最前線の現状、将来への展望がまとめられている。最近までの研究の成果から、これまでの旧版の内容が否定されたり、強調される部分が異なったりしている場合も多いので、必見の価値がある。行動生態学を学び始めた若い学生・院生はもちろんだが、教育者、研究者もぜひ読んで欲しい教科書である。