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エネルギー科学は、時間・空間共にマルチスケールの学問である点が特徴的である。本書は、エネルギーを発生する基となる物質の根本起源を探るため、宇宙や地球が創生され、原子や原子核が合成されていった歴史から解き明かし、エネルギーとは何かを解説する。さらに、エネルギー環境問題を背景としてエネルギー科学のあり方とエネルギーシステム技術の現状と将来展望について概観する。
地球温暖化問題を中核とするエネルギー環境問題への対処など、エネルギー科学は人類の生存や発展のために欠かせない学問である。そのためには、様々な研究分野との連携が必要となり、物理学の知識はもちろんのこと、システム思考や社会性など幅広い好奇心と気象学や環境学また経済学などの素養も望まれる。本書でエネルギー科学に対する知的好奇心が触発され、この分野の研究者が増えて、科学技術による社会への貢献が進むことを期待する。